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伊勢神宮/お木曳行事 三重県

私のお木曳体験

伊勢神宮/お木曳行事
時期:令和八年(2026年)五月
語り手:藪本

「太一」の御札を掲げた奉曳車と、白装束で綱を握る奉曳の人々。晴れた青空の下、伊勢のお木曳行事にて。
「太一」を掲げて進む奉曳車 令和八年五月十日 伊勢

五月十日。その前日、御杣始祭で伐り出されたご用材は、静かに寝かされていた。木口に記された「太一」の二文字。せんぐう館で見た斑目馬のきらびやかな装飾に、受け継がれてきたものの果てしなさを思う。

二見興玉神社で浜参宮を済ませ、無垢塩草で身を清めた。蛙の像、蘇民将来子孫家門の護符、茅の輪をくぐる。どれも、明日へ続く作法だった。

当日、伊勢の方々が総出で迎えてくださった。木遣り唄が響き、エンヤー、エンヤーと、声を張り上げ続ける。気づけば、不思議な達成感とともに涙がにじんでいた。

そして、声を出さぬ作法で下宮の御垣内へ。神様と、自分と、まじまじと向き合う。二十年に一度きりのこの行に身を置いて、常若という心が、少しだけ分かった気がした。

あなたの記憶も、聞かせてください

どんなに小さな、断片のような思い出でも構いません。
その土地の祭りの記憶が、誰かの参拝の道しるべになります。

記憶をおくる