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伊勢神宮/お木曳行事 三重県
「太一」を掲げて進む奉曳車 令和八年五月十日 伊勢
私のお木曳体験
五月十日。その前日、御杣始祭で伐り出されたご用材は、静かに寝かされていた。木口に記された「太一」の二文字。せんぐう館で見た斑目馬のきらびやかな装飾に、受け継がれてきたものの果てしなさを思う。
二見興玉神社で浜参宮を済ませ、無垢塩草で身を清めた。蛙の像、蘇民将来子孫家門の護符、茅の輪をくぐる。どれも、明日へ続く作法だった。
当日、伊勢の方々が総出で迎えてくださった。木遣り唄が響き、エンヤー、エンヤーと、声を張り上げ続ける。気づけば、不思議な達成感とともに涙がにじんでいた。
そして、声を出さぬ作法で下宮の御垣内へ。神様と、自分と、まじまじと向き合う。二十年に一度きりのこの行に身を置いて、常若という心が、少しだけ分かった気がした。